教室に入ると自分の席に座り、授業が始まるまで本を読もうとして本の続きを開き。
本を読むのを一旦やめて、こうやって朝からちゃんと学校に来て本や勉強に集中してる自分とかちょっと前じゃ考えられないよな。
今の俺がいるのは立夏のお陰だと思いながらぼんやりと窓の方を見る。
昨日元カノからメールが来たのを思い出し携帯を見ると、メールと電話が何件かきていて溜息をしいつか諦めるだろうと放置。
立夏のことしか考えられない今は他のことを考えたくない。
同時刻の立夏は…
凪斗ってほんとマメだよなぁとつくづく思いながら教室に行き席に座ると
「あ、おはよう立花」
昨日の奴が、また話しかけてきた。
「また、君か…今日は何?」
「立花って、昨日の先輩と付き合ってるんだろ?」
「だから、何…」
「いや、かっこよかったなぁと思って」
その言葉に顔を上げて初めてマトモにそいつの顔を見た気がする。
授業が始まりそいつは席にもどったが、ずっと考えていて。
そいつは休憩の度に自分の席に来れば凪斗のことを聞いてきた。
「次がやっと昼休みか…」
質問攻めにあってすっかり疲れてしまうのであった。