「…歩くか」
どうするかと考えた結果、立夏の腕を組み恋人同士だと見せつけるように歩き出す。
「なぁ、大丈夫かな。こんなふうに歩いてて凪斗にまで危害が及んだら…」
逆恨みしかねないと心配していて。
「相手がいると思ったら諦めるだろ。もし何かされそうになったら俺が守るから」
強くそう言い落ちつかせるように優しく腕を撫で。
「喧嘩弱いくせに、無理しなくていいんだぞ」
「なるべく喧嘩しない方法で守る」
苦笑いをし後ろをちらっと気にしながら歩き。
「口が上手いような感じもしないけどな」
「睨みつけることしかできないじゃん…」
自分の見た目しか役に立たないと嘆く。
「大丈夫だって、ここに居てくれただけで助かってるからな」
「なんか情けね…」
励ますように言われると余計落ち込み。
「えぇっ、なんでだよ」
「守るとか言っといて全然守れないからさ」
自分が情けなく感じてしまい。
「守れてるだろ、今現在」
会ってなかったら、捕まってたかもしれないと付け足し。
「そうだな、大変なことになってたかもしんないから会えてよかった」
ようやく調子を取り戻す。