「そう言えば、先輩の家ってどこ」
三人で車に乗り込むと立夏は俺に聞いてきて。
「俺ん家は学校から歩いて20分くらい。あ、隣町までで大丈夫なんで」
こたえると立夏の兄さんにそう伝える。
「それより、君に聞きたいんだけど。立夏とはどういう関係なんだ」
「ちょっと、兄さん。変な勘ぐりはやめてよね。先輩、答えなくていいからね」
どういう関係と言われてもな。そんなの決まってる。
「友達です」
普通にさらっと答え。
「じゃあ、立夏に触ったり抱き締めたりキスしたいとか、思わないって事だよな」
「ちょっと、なに変な質問してんだよ」
「立夏は黙ってろ。片倉君。どうなんだ」
「え、と…」
キスと聞いて昨日のキスが頭をよぎり上手く言葉が出てこない。
「正直に答えろ」
圧をかけながらミラー越しで見られてる気がして。
「わかりません。でも、俺たちは友達なのでそういう仲じゃないです」
正直な気持ちを真っ直ぐ前を見て兄さんに伝えることにして。
「は?お前ふざけんなよ。立夏はこんなに可愛いんだぞ。変な気起こさない方が可笑しいだろ」
「何に対して怒ってんだよ。てか、ちゃんと運転しろ」
「可愛いのはわかります。ですが、俺はこれからも立夏さんと仲良くしたいので立夏さんが嫌がることはしません」
真剣な表情で答え本気だということをわかってもらいたく強く言い放ち。