「こっち一人っ子だから兄弟とか憧れるわ」
「両親が海外に引っ越すって言う話しあったんだけど、俺の学校の事があるから、兄貴が一緒に残るって言ってくれたから俺たちは日本に残ることになったんだよ」
「へぇ、弟思いのいい兄さんじゃんかー兄さんいるなら寂しくないな」
話を聞き目を輝かせる。こんなに弟想いの兄さん羨ましい
「まぁ、寂しいと思った事はないな」
学校に着くと下駄履きで靴を履き替えて。
「もし俺に兄弟がいたら寂しくないからナンパせず生きてそう」
ナンパしなかったらこうやって立夏と話すこともなかったんだろうな
「そういうもんか」
不思議に思ったらしく首を傾ける。
「俺がナンパしてた理由はただ寂しかったからさ、今は立夏がいるからもうしないけど」
もうナンパは卒業したと付け足して言って。
「恋人がほしかったわけじゃないの」
「恋人か。今まで本気で好きになって付き合うことはなかったな…誰でもいいから愛されたかったから付き合ってた」
寂しそうに笑いながら俯く。好きという感情というものはなく寂しいという理由だけで付き合っていた。
本当の恋人ができる日なんてくるんだろうか。
「そうなんだ。あ、じゃあね。俺の教室こっちだから」
「おっけ、またお昼にな」
学年が違うので階段を登って行ってしまい。